みなさんは「スチールヘッド」というお魚をご存知でしょうか?
この記事を読んでいる方の多くは、お魚好きという素敵な趣味をお持ちだったり。
あるいは「ニジマスとスチールヘッドって何が違うの?」という疑問を抱いている真っ最中かもしれません。
今回の記事では、そんな「ニジマスとスチールヘッドの違い」をメインに、思わず誰かに話したくなる「面白雑学」も交えてご紹介していきます!
お子さんの食育にも役立つかもしれない知識を、一緒に楽しく学んでいきましょう!
Contents
スチールヘッドはニジマスの降海型(こうかいがた)!
亜種ではない!
スチールヘッドとは、川から海や大きな湖へ下り、産卵のために再び川に戻ってくる「降海型(こうかいがた)」ニジマスのこと。
産卵のため川をさかのぼる際、頭部が鉄色(スチール)に見えることからその名がつきました。
一方、私たちが幼い頃に手づかみをして楽しんだニジマスは、一生を川で終えるため「陸封型(りくふうがた)」と呼ばれます。
みなさんは「亜種」という言葉をご存知ですか?
亜種とは、地理的(山や海など)などの地理的な壁により群れが分断され、DNAや見た目に変化が生じた状態を指します。
一見すると、ニジマスとスチールヘッドも「亜種」の関係にありそうですが、実は違うんです!
専門機関の方に電話でお話を伺ったところ、「生物学上、ニジマスとスチールヘッドは亜種ではなく、全く同じ生き物(=体色変化)」だと教えていただきました。
同じ生き物が、「川に残った姿=ニジマス」「海へ降りた姿=スチールヘッド」と、育つ環境が違うだけなのです。
私たち人間に例えるなら、「双子の兄弟がいて、兄は関西ち、弟は関東で育った」ようなイメージでOK!
では、一般的なニジマスとスチールヘッドの違いを3つご紹介!
それでは、ニジマスとスチールヘッドの違いをご紹介です!
具体的に、下記の3点に焦点を当てていきます!
【ニジマスとスチールヘッドの違いまとめ】
- 陸封型(りくふうがた)or 降海型(こうかいがた)?
- 魚体
- スモルト化・銀化(ぎんけ)
ニジマスとスチールヘッドの違い①:陸封型(りくふうがた)or降海型(こうかいがた)
ニジマスとスチールヘッドの1番の違いは、一生を川で過ごす「陸封型(りくふうがた)」か?
広い海へ旅に出る「降海型(こうかいがた)」か?という点です。
もともとニジマスは、北アメリカの川や湖だけに生息する「陸封型(りくふうがた)」の魚でした。
ですが、川のエサが少ないことなどをきっかけに、新天地を求め海へ下る個体が現れたのです。
それが「降海型(こうかいがた)」と呼ばれるスチールヘッドの始まり!
ニジマスにとって穏やかな川と、荒波にもまれる海では、「水の抵抗(運動量)」も「得られるエサの豊かさ」も桁違いです。
これほどまで環境が違えば、体つきがガラッと変わるのも納得してしまいます。
人間で例えるなら、「実家でゆったり過ごすか?アスリートを目指して外でアクティブに動き回るか?」で、体型や体力が劇的に変わるようなイメージです。
ニジマスとスチールヘッドの違い②:魚体
実際に、ニジマスとスチールヘッドでは「魚体」にどのような違いがあるのでしょうか?
まず、大きさが全く異なります!
川で暮らすニジマス(陸封型)の平均サイズ「30cm〜40cm」ですが。
海へ降りるスチールヘッド(降海型)は平均「60cm〜80cm」と、倍以上の大きさにまで育つんです。
中には80cmを悠に超え、10kg以上にまで巨大化する「超モンスター級」の個体も存在するそう!
ニジマスとスチールヘッドでは、体型にも特徴的な差が生まれます。
穏やかな川で過ごすニジマスが「ずんぐり型」なのに対し、広い海を泳ぎ続けるスチールヘッドは、水の抵抗を受けにくい「引き締まった流線型(しかも筋肉質!)」のボディになるんです。
そんな彼らを見分ける際は、身体の模様に注目するのがおすすめ!
斑点が多くカラフルなニジマスに比べ、スチールヘッドは模様が少なく、「背中が黒くて腹は真っ白」な銀白色。
さらに「側線より下に斑点がない」ことや、頭部が「緑がかった黒色(真っ黒に見えることも!)」に見える点で見分けられます。
ニジマスとスチールヘッドの違い③:スモルト化・銀化(ぎんけ)
ニジマスとスチールヘッドの違いを語る上で「スモルト化・銀化(ぎんけ)」は欠かせません。
スモルト化を一言でいうなら、ズバリ「海へ行くための準備」です。
この変化が起きない個体は、塩分のある海では生活できません。
よく「海から帰ってきたから銀色になった」と誤解されがちですが、実は川にいる間に体色が銀色に変わるのです。
スチールヘッドの場合、誕生から約2年〜3年を川で過ごした後、スモルト化が起こり海へと旅立ちます。
スモルト化が始まると、ニジマス特有の虹色や斑点が消え、全身がキラキラした銀白色へと変化。
その姿は、私たちにとって身近なニジマスとはまた違った美しさを誇ります!
不思議なことに、スモルト化は海へ降りない個体にも起こります。
一例だと、大きな湖を「海だ!」と勘違いしたニジマスが、湖生活なのに体が銀色に変わってしまうケースも珍しくありません。
稀にですが、管理釣り場でも体が銀色のニジマスを見かけますよね!
スチールヘッドは私たちの身近に流通している!
みなさんは、近所のスーパーや魚屋さんに「スチールヘッド」が並んでいるのを見かけたことはありますか?
あくまで僕個人の意見ですが、このような経験のある方は少ないはずです。
それもそのはず!
実は、スチールヘッドは名前を変えて、私たちの身近なところで流通しているんです!
1番わかりやすい例を挙げるなら、回転寿司や食卓でお馴染みの「サーモン(サーモントラウト)」が有名だと思います。
面白いことに、サーモン(サーモントラウト)の正体こそ、「スチールヘッド(降海型ニジマス)」だったんです!
めちゃめちゃ身近ですよね!笑
ちなみに、スチールヘッドが名前を変えて流通している背景には「大人の事情」が深く関わっています。
商業的に「ニジマス」や「スチールヘッド」として売るよりも、脂の乗った「サーモン(サーモントラウト)」として売り出した時の方が、消費者の食いつきが圧倒的に良かったそうです。
その結果、近所のスーパーや魚屋さん、回転寿司店などで、「サーモン(サーモントラウト)」という名称が定着しました。
管理釣り場にいる「スチールヘッド」がいる?
彼らは海にいたのか問題。
生物学上では、海を経験していない個体を「スチールヘッド(降海型)」と呼ぶことはありません。
もしかしたら、日本の管理釣り場に「真のスチールヘッド」は、ほとんど存在しないのかも...??
しかし、管理釣り場には、銀色に変化したニジマスや、降海型の家系にあたるニジマスを、スチールヘッドと独自のルールで呼ぶことがあるそうです。
中には、養殖場で疑似的に海を経験させる驚きの養殖技術まで存在します。
まとめ
ニジマスとスチールヘッドの違いをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
結論から言うと、この2つは「全く同じ種類の魚」になります。
学名も同じ「Oncorhynchus mykiss」ですが、育つ環境によって呼び名が変わるんです!
具体的には。
- ニジマス(陸封型):一生を川や湖で過ごす個体。
- スチールヘッド(降海型):1度海へ下り、産卵のために川へ戻る個体。
といった感じです!
海を経験したスチールヘッドは、私たちの想像を超える変貌を遂げます。
銀色の巨体へと成長し、その姿はまさに自然の神秘。
食卓では「サーモントラウト」として、これからも世代を問わず愛され続けていくでしょう!
本来は海へ下る魚ですが、最近は養殖技術により、管理釣り場でもこの「スチールヘッド」に出会えるチャンスがあります。
ご自分で釣り上げ、捌いたお魚を味わう経験は、お子さんの食育にぴったりです。
ぜひ管理釣り場で、スチールヘッド特有のダイナミックな衝撃を体感してみてください!