釣り方

完全入門|鮎(アユ)の釣り方2種類をご紹介!友釣りの手順を学び清流で楽しもう

「引き釣り」と「泳がせ釣り」についてご紹介!そして「取り込み」とは?

鮎の釣り方として「友釣り」が有名だと思います。

友釣りとは、鮎の縄張り意識を利用した日本独自の伝統的な釣り方です。

そんな友釣りの大きな特徴として「おとり鮎(生きた鮎)」を使用することが挙げられます。

 

「おとり鮎」を操作する方法として、主に「引き釣り」「泳がせ釣り」の2種類に分類することができるので、それぞれの違いを見ていきましょう。

 

引き釣りとは一定のラインテンションを「おとり鮎」にかけることで、人間側が動きを操作する釣り方です。

一方、泳がせ釣りとは「おとり鮎」を自由に泳がせ自然な動きを演出して、野生の鮎を狙います。

自由に泳ぐ「おとり鮎」に、野生の鮎がアタックしたくなるような状況を作り上げることが釣果を伸ばすポイントです。

 

「引き釣り」「泳がせ釣り」ともに、自由に泳ぐ「おとり鮎」を狙ったスポットに送り込むためのコツが存在しています。

「おとり鮎」の状態や水流の流れを把握し、常に水の中が「どうなっているのか?」とイメージを張り巡らせることがとっても大事です。

 

鮎の釣り方①:引き釣りとは?

それでは、引き釣りについて解説していきます。

まずは、ざっくりと「引き釣りの手順」を把握してみましょう!

 

引き釣の手順とは?

①セットした「おとり鮎」を水中に放し、足元から沖へと送り出す(この動作は低い姿勢で行うこと)。
→釣り竿を水流に対して45度くらいの角に構えることで、下流側へ「おとり鮎」を導くことが可能です。

②低い姿勢から立ち上がりながら、釣り糸を張るために釣竿を立てましょう。
→釣り糸を張ることで、「おとり鮎」が水面に出てくるよう誘導してください。

③「おとり鮎」が水面に出ていくのに合わせて、下流側(竿尻を持つ側)の腕を伸ばします。
→無理に「おとり鮎」を引っ張りすぎないよう注意。

④伸ばした竿先の真下に「おとり鮎」が出てきらた、下流側(竿尻を持つ側)と反対の手を釣竿に添えましょう。

 

基本の構えとは?

基本的な構えとして、釣竿の持ち方を押さえておきましょう。

まずは、下流側にある手で竿尻(釣竿の手元側・持ち手部分の末端)を握ります。

 

反対側の手は釣竿の感度を最大限に活かすため、指先で軽く釣竿を支える程度の力加減でOKです。

力まず「釣り竿に指を乗せる!」くらいの気持ちで釣竿を持つことができら◎

最小の力で効率よく水中の状況を把握することが可能だと思います。

 

一方で、釣り竿を「グッと」強く握り込んでしまうと、竿先に伝わる「おとり鮎」の動きや野鮎の反応を感じにくいので注意してくださいね。

 

上記で説明した釣竿の持ち方が、引き釣りを行う際の基本的な構えになります。

これから引き釣りを始める人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

「おとり鮎」を準備するときのコツは?

「おとり鮎」を準備する際は「サカバリ(サカサ針)」を使用します。

「サカバリ(サカサ針)」を使用することで、野鮎が「おとり鮎」にアタックしてきた際に掛け針がスムーズに刺さるようになりますよ。

 

「サカバリ(サカサ針)」を「おとり鮎」に打つときは、基本的に尻ヒレの付け根から1mm~2mm程度上の部分を狙うと◎

ほかにも「皮打ち」と呼ばれる「サカバリ(サカサ針)」を尻ヒレの付け根から1mm~2mm程度上の部分、鮎の皮をすくうように打つ方法もあります。

 

「おとり鮎」の泳がせ方は?

釣竿と水面の角度を30度程度にして、「おとり鮎」を1箇所でしばらく泳がせてください。

「おとり鮎」が、川底まで沈んで元気よく泳いている状態が理想的。

この「おとり鮎」の理想の状態は泳がせ釣りの場合も同じなので、押さえておいてもらいたい知識のひとつです。

 

魚の反応(アタリ)が5分以上なかった場合、次の釣りスポットに移動することをおすすめします。

次の釣りスポットに移動するときは、「おとり鮎」をいったん引き上げ再度送り出しても良し。

釣竿で「おとり鮎」を引きながら釣り場を移動してもOKです。

ですが、「おとり鮎」が疲れてしまうことが考えられるので、こまめにおとりを交換することをおすすめします。

 

釣竿を寝かせる(低く構える)と釣り糸が緩むので、「おとり鮎」が水底に沈みやすいです。

ですが釣り糸が緩んが状態が続くと「ライントラブル(仕掛けと釣り糸が絡む)」の原因になるので注意しましょう。

 

反対に釣り糸を張りすぎてしまった場合、「おとり鮎」が水面に浮いてきてしまうことがあります。

魚の状態や釣り場の状態を考慮しつつ、釣り糸の張り具合を保つことが、ストレスなく鮎釣りを楽しむポイントです。

 

野鮎を「おとり」として活用しよう!

引き釣りでは「おとり鮎」を積極的に操作することで「野鮎」を狙っていきましたね。

野鮎は「渇水(河川の水量が著しく減少している状態)」や「高水温期」など魚を釣ることが難しい状況の時に大活躍します。

 

実は養殖された「おとり鮎」の泳ぎって、天然の野鮎に比べると弱いんです。

天然の野鮎はよく動き果敢に他の鮎の縄張りに侵入するので、釣果を伸ばすことが可能。

 

あなたが「鮎の反応が悪いな〜」と感じた際は、天然の野鮎をおとりとして活用(強い操作を加えないことがコツ)して、他の野鮎を誘っていきましょう!

 

野鮎が釣れない時は?

野鮎が釣れないときもあると思います。

そんな時は、鮎の動きをサポートする「ゴム張りオモリ」を元気の無い「おとり鮎」にセットしてみましょう。

 

友釣りでは釣り糸(ライン)を傷つけにくい、視認性の良い派手目の色(オレンジやイエロー)のゴム張りオモリを使用することが主流。

また、ゴム張りオモリのサイズは水量で変えていく必要があり、一般的に5号〜10号を使用することが多いです。

 

鮎の釣り方②:泳がせ釣りとは?

泳がせ釣りとは釣竿を立てるとこで釣り糸を弛ませ気味にして「おとり鮎」を操ります。

テクニックとして「おとり鮎」に自由な動きで泳がせる(操作する)ことが必要です。

足元に「おとり鮎」を放したら、釣り竿を立て気味に構え自然な動きを妨げないように心がけてください。

 

引き釣りでは、釣竿と水面の角度や釣り糸のテンションで「おとり鮎」の状態をコントロールしていたので、全く違う釣り方と言えますね。

 

※釣り糸のたるみを「オバセ」と呼ぶこともあります。

 

釣り糸のたるみ(オバセ)を使いこなせ!

釣り糸のたるみ(オバセ)が大きくなると、水中糸(道糸とハリスを接続する釣り糸)が水中で流れの抵抗を強く受けます。

水中糸が流れの抵抗を受けるので、「おとり鮎」が下流側に引っ張られ始めます。

すると、流れの抵抗に逆らって「おとり鮎」が速く泳ぎ始めるといった習性があるんです。

 

反対に、釣り糸を張り気味にすることで、水中糸に対する水の抵抗が弱くなります。

「おとり鮎」に掛かる水の抵抗が減るので、「おとり鮎」の泳ぐスピードが遅くなることを押さえておきましょう。

 

上記の原理を利用することで、「おとり鮎」を自由自在に操ることが可能です。

広い範囲を「おとり鮎」に泳いでもらうためにも、釣り糸のたるみ(オバセ)を上手に調整して下さいね。

 

最初のうちは、釣り糸のたるみ(オバセ)を使いこなすのが難しいと思います。

少しでも「おとり鮎を上手に操作できない!」と感じた際は、ぜひ「トロ場」で練習を積み重ねてみましょう。

トロ場とは比較的水流が緩い(弱い)ので、泳がせ釣りのコツを掴みやすいですよ。

 

泳がせ釣りのコツは?

基本的に泳がせ釣りは、釣り人から「おとり鮎」に対して何か仕掛けることが少ないです。

「おとり鮎」に任せることが多い釣り方だと言えますね。

 

注意点として「おとり鮎」の泳ぎが鈍ること(悪くなること)が挙げられます。

「おとり鮎の泳ぎが良く無いかな?」と感じた際は、釣竿を上手に操作して刺激を加えると◎

具体的に「おとり鮎」の動きが弱いときは、釣り糸のたるみ(オバセ)に張りを持たせることで、下流側に誘導しましょう。

 

「おとり鮎」を操作してないようで操作してること、「おとり鮎」を活き活きと動かせることが、鮎釣りの釣果に直結します。

ぜひ「おとり鮎」の動きを敏感に察知できるように細心の注意を払いましょう!

 

「引き寄せ取り込み」と「引き抜き取り込み」とは?

野鮎(自然の環境で育った鮎)が「おとり鮎」に襲いかかった瞬間に、竿先に衝撃が伝わったり、釣り糸に変化が生じます。

竿先の衝撃や釣り糸に変化が生じた瞬間の気持ちの高まりが、鮎の友釣りの醍醐味だと言えるでしょう。

 

特段、鮎のあたりに人間側がアワセる必要性はありません。

釣り針が自然と野鮎(自然の環境で育った鮎)に掛かってくれるので、私たちが意識するべき点は「取り込む工程」です。

 

鮎をタモ網でキャッチする方法として「引き寄せ取り込み」「引き抜き取り込み」の2種類が挙げられるので、それぞれの違いを見ていきます。

 

一般的は鮎の取り込み方法として「引き抜き取り込み」が主流です。

鮎を空中に引き抜いてタモでキャッチする様は、ダイナミックな見た目でかっこ良く、多くの釣り人が憧れていると思います。

 

ですが、初心者さんがいきなり「引き抜き取り込み」を行うのは難しいかもしれません。

友釣りを始めて最初のうちは、水中にいる鮎を誘導してきてタモ網にいれる「引き寄せ取り込み」で構わないので、少しずつ技術を磨いていきましょう!

 

引き寄せ取り込みの工程を解説

それでは、鮎の「引き寄せ取り込み」の工程を解説です。

 

引き寄せ取り込み|ステップ①

まず意識してもらいたいポイントが野鮎が釣り針に掛かったとしても、釣竿を立てないことです。

釣竿を立てるとは、持っている釣竿の角度を水面に対して垂直に近い状態にすることを言います。

 

釣竿を立ててしまった場合、急に水面付近に魚が浮き上がってしまうので、もといた場所よりも下流側に流されてしまうんです。

 

水面に対して釣竿の角度を保もつことで、鮎は自然と下流へカーブを描きながらあなたの手前まで近づいてきます!

理想の釣竿の角度は45度〜60度程度です。

この角度で構えることができると、鮎の引きを竿全体で受け止めることができ、ラインにかかる負担を軽減することができますよ。

 

引き寄せ取り込み|ステップ②

あなたの立ち位置は変えずに竿先をゆっくりを上流側に向けてください。

すると自然と鮎が足元に寄ってきますよ。

このときも「釣竿の角度を45度〜60度にキープする!」ことを念頭に置いておきましょう。

 

最後は、水中にいる野鮎とおとり鮎を共にタモ網に誘導してキャッチしてくれてOKです。

鮎釣りを続けていると、引き抜きが難しいサイズの鮎が掛かることがあります。

大きな鮎がヒットした際も「引き寄せ取り込み」は有効なので、万が一に備えて習得しておきましょう。

 

引き抜き取り込みの工程を解説

続いて、「引き抜き取り込み」の工程について解説します。

引き抜き取り込みの工程は途中まで、引き寄せ取り込みと同じです。

釣竿の角度を変えず、竿先をゆっくりと上流側に向けることで、あなたの足元(下流側)に掛かった鮎を誘導します。

 

その後、アユベルトに装備してあるタモを手に持ち、タモを持った手で竿を支えながら、鮎を引き上げてください。

鮎の引き上げ方は釣竿を立てることで、自然と水中から鮎を引き上げることが可能です。

 

鮎を引き上げる時は、タモ網を構えているな場所に向かって鮎を飛ばすイメージをしておくと◎

イメージしておくことで、的外れな場所に鮎を飛ばしてしまうことがなくなりますよ。

鮎をキャッチする際は、鮎が弱るのを防ぐために「タモ網」を手元に引くことでショックを和らげてくださいね。

 

野鮎が釣れると、新たな「おとり鮎」として使用することが可能です。

野鮎っておとり屋(「おとり鮎」を販売する店舗)で購入した鮎よりも元気に動く傾向があります。

 

元気に動く野鮎をおとりとして使用することで、他の野鮎の反応が良くなり、さらなる釣果が期待できることも友釣りの魅力です。

 

連続して鮎が釣れ始めることだって、珍しく無いんですよ。

鮎釣りで釣果を伸ばしたいなら「1匹目の野鮎をいかに早く釣るか?」が最初の関門だと思います。

ぜひ、上記に挙げたテクニックやコツを把握して、鮎釣りを楽しんでくださいね。

 

鮎が釣れない時はどうするべき?ポイント3選をご紹介!

鮎が釣れない時に「どうするべきか?」確認するべきポイント3選をご紹介です。

下記に「鮎が釣れない時のポイント3選」をまとめたので、まずは全体把握をしてみましょう。

 

【鮎が釣れない時のポイント3選】

  1. 掛けバリを交換すること
  2. 釣り場を移動すること
  3. 「おとり鮎」を循環(交換)すること

上記の「鮎が釣れない時のポイント3選」を読んでみて、気になることはありましたか?

それでは、早速釣れない時のポイント①「掛けバリを交換すること」について解説です!

 

釣れない時のポイント①:掛けバリを交換すること

釣れない時のポイント①として「掛けバリを交換すること」をご紹介します。

鮎釣りで使用される掛け針は、新品時は非常に鋭利なので、鮎の口に掛かりやすいです。

 

ですが、石など障害物に針先がこすれたり、鮎の口に何度も当たるなど、使っているうちに針先が鈍るということを念頭に入れておきましょう。

 

目安になりますが、数十分から1時間ほど使用したら針先が鈍っている可能性があります。

指先の爪に針先を乗せてみて「引っかかりが悪いな!」と感じたら、すぐに新しい掛け針に交換するようにしてくださいね。

 

釣れない時のポイント②:釣り場を移動すること

釣れない時のポイント②として「釣り場を移動すること」をご紹介です。

「なかなか鮎が釣れない!」「反応はあったのだけど..鮎が釣れない!」など、どうしても鮎が釣れないときは釣り場を移動してみてください。

 

釣り場を移動するタイミングは、15分〜20分程度魚が釣れない時、釣れる魚のサイズが小さすぎると感じた時がいいと思います。

同じ水系(一連の水の流れを形成する流域の総称)でも近場にある支流の方が、鮎の反応が良ことも多々起こります。

 

あなた以外の釣り人さんに遭遇したら「支流における鮎の反応はどうですか?」「具体的な釣り場(ポイント)はどうでした?」など、情報を聞いてみるのもいいですね。

詮索しすぎは、相手の機嫌を損ねる可能性があるので、釣り人としてのマナーや配慮を持って接してくださいね。

 

釣れない時のポイント③:「おとり鮎」を循環(交換)すること

釣れない時のポイント③として「おとり鮎を循環(交換)すること」をご紹介です。

釣れない時間が続くと、当然「おとり鮎」の泳ぎが悪くなってきます。

 

「おとり鮎」の体力の消耗は水温や水流など釣り場状況によって異なりますが、一般的に5分~20分に1回は交換するようにしてください。

 

水温が低いとき・水流が早い時は鮎が疲れやすいことを念頭に入れておくと、「おとり鮎」を交換するタイミングを見逃しにくいと思います。

 

あなたの経験上「水温が低い!」「水流が早い!」と感じた際には、気持ち早めに「おとり鮎」を交換する意識を持っておくと◎です。

 

また、目視や手元の感覚で「おとり鮎の動きが悪くなってきたな!」と感じた際も「おとり鮎」を交換してくれてOK。

元気の無い「おとり鮎」を定期的に、元気のある「おとり鮎」に換える(交換)することで、釣果を伸ばしていきましょう!

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