トラウトの生態・習性

ニジマスの視力を徹底解説!人間との違いとは?魚が見ている水の世界をイメージしてみよう

今回の記事では、ニジマスの視力について徹底解説していきます。

トラウトアングラーにとって、ニジマスの「視力」という生態や習性を把握しておくことは大事なことです。

ニジマス視点に立ち、水中の世界を鮮明に読み解くこと。

そうすることで「偶然の1匹」ではなく「狙った1匹」を釣り上げるというトラウトフィッシングの醍醐味を味わえるようになりますよ!

 

下記の内容をみなさんにわかりやすくお届けしますのでお楽しみに!

 

【今回の記事の内容】

  • 視力とは?
  • ニジマスにも視力は存在している?
  • ニジマスと人間の視力を比較すると?
  • ニジマスには、水中の世界がどのように見えている?

 

「視力」とは何?

視力とは、目で見た物体の形状や存在を細部まで見分ける「識別能力」のこと。

目(網膜)で見た情報を、脳で処理することで、私たち人間は「物体形状」「色の濃淡」「明暗」「距離感」「動き」などを認識しています。

 

人間は、日常生活の情報の8割〜9割近くを「視力」をフル活用して処理しているそうです。

朝の通勤時だったり、自動車での移動、読書の時間など、視力を使うシーンを挙げたらキリがありません!

 

大自然に存在する野生の生き物にとっても「視力」は非常に重要な感覚になります。

食物連鎖の中で生き残る、生命として子孫繁栄を行うことに直結するからです。

 

今回の記事では、淡水域(河川や湖・管理釣り場など)に生息している「ニジマス」の視力について徹底解説していきます。

複雑な水流の中で餌の存在を瞬時に把握し、すぐさま「食べられるか?食べられないか?」の判断を下す。

そんなニジマスの視力は、一体どのような仕組みになっているのでしょうか?

 

ニジマスにも視力は存在しているという事実

ニジマスにも「視力」は存在しています。

最も鮮明に視えているのは、彼らの両目の視野が重なる正面方向「約30度」です。

このごくわずかな範囲内で、ニジマスは両目を使い「餌の存在を把握」「捕食対象かの判断」を瞬時に行います。

 

管理釣り場にいるニジマスがものすごい勢いでルアーに飛びついてくることが多々あるんです。

水中を泳ぐルアーに対して、一定の間隔を保ちながら追尾する光景を何度も目撃してきました。

勝手に「ニジマスって視力が優れてるんだな〜」と勝手に考えていましたが、この考えが事実だったとは驚きです!

 

ここから先では、ニジマスと私たち人間の「視力」をじっくり比較していきます。

意外な共通点や、驚きの違いを知り、水生生物である「ニジマス」の存在をより身近に感じてもらえたら嬉しいです!

 

ニジマスの視力は人間よりも劣っている

結論から言いますと、ニジマスの視力はあまり高くありません。

ですが、釣り人さんの中には、ルアーまであと一歩のところで「プイッ」と反転された経験がある方も多いはず。

ニジマスに「パクッ」っと口を使わせることも、釣り人としての腕の見せ所です。

 

ルアーを見切る能力が高いからこそ、僕は「ニジマス=視力が良い魚」と勘違いしていました。

 

ニジマスの平均視力

私たち人間に置き換えた場合、ニジマスの視力は「0.1〜0.6」程度と言われています。

近眼と捉えることもできますが、逆に言えば「近距離にあるものを見極める能力が優れている」と考えることも可能です。

実際、ニジマスは前方「約7.5cm」先までの範囲内なら、捕食対象かの識別を高精度で行えます。

だからこそ、ニジマスはルアーを目前にして「偽物のエサだ!」と見切るのが得意なのです。

 

話を元に戻しますが、ニジマスの視力は「0.1〜0.6」。

それに対して人間の理想的な平均視力は「1.0以上」と言われています。

つまり、ニジマスの視力は人間よりも劣っているのです。

 

ニジマスと人間の視力に差が生まれた理由

なぜ、ニジマスと人間の視力にここまでの差が生まれたのでしょうか?

結論から申し上げると、目ついている位置が大きく関係しています。

 

ニジマスは頭部の左右に目が独立して配置されていますが、人間は顔の正面に目が並列してついていますよね。

人間が横目でものを見るような感覚で、ニジマスは正面の情報を処理しているのです。

 

横目でものを見ようとすると、ピントが合わず、はっきり物体を識別することは難しい。

そのため、ニジマスと人間では「視力」に大きな差が生まれたのです。

 

上記の情報を踏まえて、ここから先は「ニジマスが見ている水中の世界」をイメージしていきましょう!

私たちが想像している景色とは、全然違う驚きの光景が広がっているはずです。

 

ニジマスは視力ではなく、視野が優れている!

「ニジマスが見ている水中の世界」を鮮明にイメージする前に、お伝えしておくべき大切な事実があります。

視力こそ良くなくて「近眼」なニジマスでしたが、実は「圧倒的な視野の広さ」を獲得しているんです。

頭の左右に独立して目がついていますからね!

 

視野とは、顔や目を動かさずに「パッと見渡せる範囲」のこと。

ニジマスの目には、私たち人間とは比べ物にならないほど、広い水中の世界が映し出されているのです。

 

ニジマスの視野は「約330度」

ニジマスの視野は「水平方向に約330度」と言われており、幅広い範囲を見渡せます。

人間の感覚に置き換えると「背後まで目が届いている」状態です!

ちなみに、人間の視野は「約180度〜200度」と言われているので、ご自身の体でニジマスとの差を想像してみましょう。

 

ニジマスの視野を想像する

まずは、両手を真横に広げて、指をパタパタ動かしてください。

その後、顔を動かさず、目だけでその指が見えたら、あなたの視野は「約180度」以上あることになります。

一方で、ニジマスが見えない範囲は後頭部のわずかな隙間「約30度」だけ!

つまり、背中で手を繋いでいる様子はもちろん、人間で言うところの耳の後ろや、斜め後ろまで丸見えなんです。

 

前置きが長くなりましたが、「ニジマスが見ている水中の世界」を鮮明にイメージしていきます。

右側の岩場、左斜め上をゆらゆら泳ぐルアー、そして後方にいる人間の影。

これらすべてを、首を振ることなく、まるで「一枚のパノラマ写真」のように把握しているのです。

 

ニジマスの視力は「照度」に影響を受ける

ニジマスの視力は「照度」に影響を受けます。

照度とは「光によって照らされた面の明るさのことで、ルクス(lx)という単位で表記します。

ちなみに、事務作業をする仕事場(オフィス)の法的最低照度は300ルクス以上です。

 

ここからは、とある論文の内容をご紹介です。

ニジマスは照度が低いほど、物体を識別する能力である「視力」が機能しなくなります。

 

「光を当てた水槽内でニジマスがナイロンラインに反応するか?」という実験が行われました。

事務作業をする仕事場(オフィス)では、明確にナイロンラインを識別できたそうです。

ここから照度をどんどん下げていきます。

 

街灯や月明かり程度の照度では、ニジマスの反応は少し悪くなり始め。

星明かりや常闇と、ほとんど光がない低照度状態では、ニジマスはナイロンラインを全く識別できなかったそうです。

このことから、ニジマスは照度が低くなるとともに、視力(物体を識別する能力)が低下することが言えますね。

 

まとめ

ニジマスの視力についてご紹介してきました!

下記に、ニジマスと人間の視力の違いをまとめたので、今回の記事の復習としてお役立てください!

 

【ニジマスと人間の視力の違い】

  • ニジマス:真正面を見るのは苦手ですが、視野が広いので約330度の景色を同時に把握できる。
  • 人間:真正面を見る能力(ピントを合わせる力)に優れているが、視野は約180度〜200度と真横までしか把握できない。

 

ニジマスが視力をあえて捨て、その代わり視野を極限まで広げた理由は「生き残るため」だと、個人的に考えています。

食物連鎖の「食うか?食われるか?」という究極のサバイバル状態では、捕食者から身を潜め。

目の前にいる捕食対象を確実に仕留める必要性があります。

ニジマスが導き出した「生存戦略の正解」は、水平方向に「約330度」という広大な視野だったのです。

 

ご紹介してきた「視力」は、実はニジマスの五感の一つである「視覚」を構成する重要な要素です。

下記に載せている記事では、ニジマスの視覚に関わる「全5つの機能」を詳しく解説していきます!

この内容を知るだけで、今までのトラウトフィッシングの常識が大きく変わるはずです。

興味のある方は、ぜひお読みください!

 

 

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