トラウトの生態・習性

【ニジマスの薄明視(はくめいし)を解説】魚が見えている水中の世界を想像しよう!

今回の記事は、ニジマスの薄明視(はくめいし)をわかりやすく徹底解説です!

いまいち聞き慣れない言葉ですが、「薄明視(はくめいし)」はトラウト攻略の鍵を握るとても重要なキーワードになります!

薄明視(はくめいし)を理解する上で大切な科学的根拠も載せていますので、お楽しみに!

 

具体的に、以下の内容でお届けです。

  • 薄明視(はくめいし)とは何?
  • 身近なものごとを薄明視(はくめいし)に例えてみた!
  • ニジマスの薄明視(はくめいし)が優れている理由とは?
  • ニジマスの薄明視(はくめいし)、人間に置き換えると?

 

薄明視(はくめいし)とは?

薄明視(はくめいし)とは、物を見る感覚機能「視覚」における状態や機能のひとつです。

生活環境の「明るさ」に応じて、私たち人間は3つの「視覚」を使い分けています。

具体的には、下記のような感じです!

 

【生活環境の明るさに応じた3つの視覚状態】

  1. 明所視(めいしょし):明るい時間帯に「色彩」「形状」を鮮明に識別する視覚状態(昼用モード)。
  2. 暗所視(あんしょし):真っ暗な時間帯でも「色彩」「形状」を識別できる視覚状態(夜用モード)。
  3. 薄明視(はくめいし):「明所視」から「暗所視」に切り替わる間の視覚状態(中間モード)。

 

薄明視(はくめいし)は、明所視と暗所視という2つの視覚状態が同時に機能している状況のことなんです!

消灯後の寝室や月明かりなど、薄暗い環境(0.01ルクス~10ルクス程度)で、この「薄明視(はくめいし)」が機能し始めます。

 

自然界に生きる動物にとって薄明視(はくめいし)は、「暗視スコープ」のような役割を担う重要なサバイバルツール。

薄暗い時間帯でも獲物を発見して、捕食する、攻撃的な使い方はもちろん。

捕食者に見つからないように、身を隠す、防御的な使い方ができるのです。

 

野生動物は、優れた視覚性能の差を利用して「自分は見えているが、相手には見られない」という状況を作り出します

こうして厳しい食物連鎖の世界を生き抜いていくのですね。

 

薄明視(はくめいし)を身近なものごとに置き換える

薄暗い環境における視覚状態を「薄明視(はくめいし)」とお伝えしてきました。

もう少しシンプルにお伝えするとですね。

薄明視(はくめいし)とは「景色がモノクロで、距離感が掴めなくなる状態」なんです。

 

置き換え①:夜景モード(スマホカメラ)

身近なものごとを例に出すと、薄明視(はくめいし)は「スマホカメラの夜景モード」で表現できます。

暗い場所でスマホカメラを使用すると、画面がザラザラとノイズだらけだったり、ピントが合わずボヤけたりしませんか?

この状態こそ、まさに「薄明視(はくめいし)」です。

 

暗闇に対して目の性能が追いつかず、必死になり目が光をかき集めているような視覚状況。

そのため、普段と比べて景色が「粗い画像」のようになります。

 

置き換え②:マジックアワー(日没前後)

ほかにも、日没前後に起こる「マジックアワー」をイメージしてみてください!

マジックアワーとは、すでに太陽は見えないけど、大空には太陽の余韻が美しく残っている状態。

時間が経過して、濃厚だったオレンジ色のグラデーションが消え始めると、大空の主人公は一瞬で深く重厚な青色へと交代します。

 

この現象も「薄明視(はくめいし)」が要因で起こり、私たちの視覚状態が「明所視→暗所視」に変化し始めているのです!

 

ニジマスの薄明視(はくめいし)について解説

前置きが長くなりましたが、ニジマスは薄明視(はくめいし)が優れています。

それを証明するために、専門的な科学研究が数多く行われてきたのです。

ここからは、科学的根拠をもとに「ニジマスの薄明視(はくめいし)」の謎を一緒に紐解いていきましょう!

 

私たち人間も含め、生き物の目の中(網膜)には視覚を司る2つの細胞が存在しています。

具体的には、下記2つの細胞です。

 

【視覚を司る2つの細胞】

  • 錐体(すいたい)細胞:明るい場所で『色』を認識する役割を担う。
  • 桿体(かんたい)細胞:暗い場所で『光』を認識する役割を担う。

 

先ほど、暗くなり始めると、薄明視(はくめいし)が働くようになり「景色がモノクロかつ、距離感が掴めなくなる」というお話をしました。

これを、もう少し噛み砕くとですね..。

 

暗闇では、目は物体を「色」で識別するのをやめます。

すると、目は物体の存在を「光(シルエット)」で捉え始めるんです。

色の識別担当「錐体(すいたい)細胞」が休暇をとり、光の高感度センサーである「桿体(かんたい)細胞」が優位に働いている状態です。

 

ニジマスは「桿体(かんたい)細胞」が優れている

ニジマスに備わる「桿体(かんたい)細胞」は、私たち人間と比べて「質」「量」が全く異なります。

科学的根拠として、下記の2をピックアックしました。

 

【ニジマスの桿体(かんたい)細胞が優れている科学的根拠】

  • 桿体(かんたい)細胞の感度が、錐体(すいたい)細胞の約1,000倍である。
  • 桿体(かんたい)細胞の数が、人間の約10倍存在している

 

難しいので、簡単にいうと光の感度センサーが「超敏感で、ぎっしり詰まっている!」とだけ押さえておきましょう!笑

 

ニジマスは薄明視(はくめいし)を活用し「日が沈むタイミング」でも活動できる

私たち人間にとって、日が沈むタイミングは「暗くて視界がボヤけ始めたな…」と感じるシチュエーションです。

一方、ニジマスは高次元の薄明視(はくめいし)をフル活用し、光の届かない水中でも、エサである小魚や昆虫の輪郭を捉え続けているのです!

トラウトアングラー界隈で「夕マズメ(日没前後)は、ニジマスが釣れる!」と言われているのは、科学的に間違いありません。

 

ニジマスの薄明視(はくめいし)が暗所視(あんしょし)に切り替わるタイミング

夜の真っ暗な中でもニジマスは釣れます。

むしろ、管理釣り場のナイターゲームのように、暗い方がよく釣れることさえ珍しくありません。

この現象は、ニジマスの視界が「薄明視(はくめいし)」から、完全に色が消えた「暗所視(あんしょし)」へ切り替わることで起きます。

 

色を識別する「錐体(すいたい)細胞」が完全にオフになり、ニジマスの目には「白黒の明暗」と「ぼやけた形」だけが映っているのです。

目の前にある「本物のエサ」と「擬似エサ」の情報処理が上手に行えず、結果としてニジマスが簡単に口を使うように。

薄明視(はくめいし)と暗所視(あんしょし)は混同しがちですので、ここで一旦整理しておきましょう!

 

ニジマスの薄明視(はくめいし)を人間に置き換えると?

ニジマスの薄明視(はくめいし)は、非常に優れていることがわかりました。

彼らの目には、水中の世界がどのように見えているのでしょうか?

私たち人間に置き換えて考察していきます。

 

結論からいうと、「景色全体のピントはボヤけるけど、動く物体だけ光を放つ」ような、不思議なモノクロ世界が広がっています。

色が消えた代わりに、光の高感度センサー(桿体細胞)がフル稼働!

「濃い白、薄い白、濃い黒、薄い黒」という、微妙な光のコントラスト(明暗の差)だけで、エサと捕食者の存在を捉え続けているのです。

 

みなさんは、夜間の動物調査で使われる「赤外線カメラの映像」を見たことはありますか?

暗闇の中で、動物の姿が白く浮き上がり、影が濃く映し出される独特なモノクロ映像。

あれこそ、昼と夜の境界線(日没前後の時間)でニジマスが見ている「薄明視(はくめいし)の世界」になります。

 

ニジマスは、あえて色の情報を捨て、「解像度はないが、極限まで高感度なモノクロ映像」を駆使して、厳しい野生の世界を生き抜いているのです。

 

まとめ

ニジマスの薄明視(はくめいし)についてわかりやすく徹底解説してきました。

彼らの「薄明視(はくめいし)」は、私たち人間とは比べ物にならないほど進化していましたね!

 

私たちが「暗くて視界がボヤけてきたな…」と感じる日没前後のタイミング。

そんな薄暗い時間帯でも、ニジマスには「高性能な暗視スコープ」でのぞいているかのように、水中の景色が鮮明に見えているのです!

 

トラウトアングラーのみなさんは、今回ご紹介した「ニジマスの薄明視(はくめいし)」を攻略のヒントにすることで、マズメ時の釣果が劇的に変化するはず!

ぜひ、次回の釣行からお役立てくださいね。

 

ご紹介してきた「薄明視(はくめいし)」は、実はニジマスの五感の一つである「視覚」を構成する重要な要素です。

下記に載せている記事では、ニジマスの視覚に関わる「全5つの機能」を詳しく解説していきます!

この内容を知るだけで、今までのトラウトフィッシングの常識が大きく変わるはずです。

興味のある方は、ぜひお読みください!

 

 

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